街の時間を拾う

〜第22回社会奉仕活動〜

今月の社会奉仕活動は、曇り空のもとでのスタートとなりました。ときおりポツポツと雨が落ちてくるような、なんとも気まぐれな天気。最高気温は28℃、最低気温22℃、作業開始時は25℃と、暑すぎず過ごしやすい気温でしたが、湿度を含んだ空気が肌にまとわりつくように感じました。

駅前にはパチンコ店があり、開店を待つ人の列や、電車を利用する人々が行き交っていました。中には小さな子どもを連れた家族の姿も多く見られ、思わず「どこへ行くのだろう」と想像を膨らませます。明日で閉幕を迎える関西万博に向かうのかもしれません。そう思うと、駅前の少しざわついた空気にも、どこか特別な高揚感が混じっているように感じました。

一歩駅前の通りを外れると、そこには静かな住宅街が広がります。戸建て住宅が並び、植木や花鉢が軒先に整然と並んでいる光景は、どこか穏やかで優しい印象。街全体がゆっくりと呼吸しているように感じられました。
清掃中、ゴミの量は全体的に少なめで、地域の方々が日頃からきれいにされているのだろうという印象を受けました。それでも、やはり目につくのはタバコの吸い殻です。小さなゴミではありますが、放置されると街の印象を大きく変えてしまいます。ひとつひとつを丁寧に拾い集めながら、「小さなことの積み重ねが、清潔で心地よい街をつくるのだ」と改めて感じました。

また、風の通らない路地の隅や排水溝の際には、飴の小袋やゼリー飲料のキャップが風に押し流されるように集まっていました。日常のほんの一瞬に出たゴミが、時を経てここに集まり、静かに存在している。その色あせた姿から、街の“時間”や“呼吸”のようなものを感じ取った気がします。

作業も終盤に差し掛かる頃、曇り空の合間からわずかに日が差し、蒸し暑さが戻ってきました。額にはうっすらと汗がにじみましたが、不思議と心はすっきりとしていました。こうした活動を通して、街の一員としての責任や、周囲とつながりながら生きているという「共同体感覚」を感じます。清掃は単なる作業ではなく、人と街、人と人とをつなぐ時間でもあるのだと、毎回実感します。
その小さな積み重ねが、地域全体の美しさや安心感につながっていく。そんな思いを胸に、次回もまた穏やかな気持ちで活動に取り組みたいと思います。