清々しさの残る
〜第23回社会奉仕活動〜
今月の社会奉仕活動は、どこか清々しさの残る朝の空気の中でスタートしました。最高気温は21℃、最低気温8℃という予報で、作業開始時の気温は15℃。少し肌寒さを覚えるひんやりとした空気でしたが、ゴミばさみを握り歩き始めるうちに体も徐々に温まり、気がつけば半袖がちょうどいいほどの陽気に変わっていきました。季節が静かに切り替わっていく、その移ろいが肌を通して感じられる、心地よい朝でした。
今回の清掃エリアは、区役所や学校といった公共施設が点在する地域。人の出入りが多い場所でありながら、全体的にゴミは非常に少なく、地域の方々の日頃からの意識の高さがうかがえます。
丁寧に整えられた歩道、落ち葉以外のゴミがほとんど見当たらない区役所周辺、そして学校へ続く道。どこを見ても清潔感が漂い、その景観から街が大切にされていることが自然と伝わってきました。
それでも、注意深く見ていくと、タバコの吸い殻が一箇所にまとめて捨てられている場所がいくつかありました。ひとつひとつは小さくても、放置されれば街の雰囲気を損ねてしまう存在です。今回の現場へ向かう道中にも、街でゴミを拾っている方々の姿を何度か見かけました。ゴミばさみで吸い殻を拾い上げるたび、「街のきれいさは、誰かの見えない心配りの積み重ねで成り立っているのだ」という思いが胸に広がります。そうした気づきがあるたびに、清掃という作業のなかに静かな尊さが宿っているように感じられました。
活動中、近くの中学校からはサッカー部の元気な声が響いてきました。乾いた音を立てて軽快に飛ぶボール、仲間同士の声かけ、監督の引き締まった指示。そのすべてが朝のグラウンドに力強く広がり、まるで風が一段と爽やかになるかのような活気を運んでいました。全力でボールを追う生徒たちのひたむきな姿はまっすぐで、思わずこちらの背筋も伸びるような清々しさを感じました。
学校周辺の植え込みも非常に整っており、剪定されたツツジや低木がリズムよく並び、歩いているだけで気持ちが軽くなります。きれいに手入れされた緑は街の印象を鮮やかにし、「この場所は大切にされている」という空気を静かに語りかけてくれます。こうした景観は、地域の方々の見えない努力の証であり、街全体を包む温かさの象徴でもあると感じました。
清掃活動を続けていると、ただゴミを拾うだけではない、もっと大きな意味に気づかされます。地域の一員として街に関わり、誰もが気持ちよく過ごせる環境を守るために手を動かす。その行動は、街と自分、そして周りの人々をつなげる細い糸となり、静かに地域を結びつけているように思えます。こうした小さな積み重ねこそが、街のつながりや「共同体感覚」を育てていくのだと、回を重ねるごとに深く実感しています。
次回もまた、この街の空気を胸に感じながら、穏やかな気持ちで活動に取り組んでいきたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。





